肌が病気であることの意味

わたしの皮膚は爆弾のようで、いつ爆発するかわからないトラブルを抱えている
19歳で発症した皮膚の病気(アトピー性皮膚炎)は、大学進学と転居という生活の変化をきっかけに重症になり、それ以来ずっといつ爆発するかわからない皮膚のトラブルを持ちながら生活することになる

皮膚(肌)が病気になる気持ち

皮膚疾患といっても様々で、ごく軽い人から重症化して皮膚の色が黒く変色し、厚くなりシワが深くなっている状態の人など症状は様々だ

症状が重くなると、ストレスや季節によって痒みが増して浸出液(透明または黄色っぽい体液)が出るようになる。そうなってくると、ちょっとやそっとで治らず、延々と続くいつ終わるか分からない苦しみがやってくる。

この状態になると、一般的に医療機関で処方される皮膚外用剤(ステロイドやプロトピック)では対応できなくなる。または、薬がないと生きられない、薬を塗らないと酷くなりやめたいけど止められない、という中毒のような状態になる。同時に、醜い外見や終わることのない痒みに絶望感でいっぱいになるし、朝と夜が逆転したり痒みにより眠りが浅くなり、さらに免疫力が下がるという悪循環に陥る


皮膚が赤く浸出液が出て腫れ上がってる状態 2011年10月


首は特に痒みが出やすい場所で、風が吹いても髪の毛が当たっても地獄のように痒い

ストレスというのはかなり個人差があるもので、わたしの場合、自分で「大変だ」と周りの人に言わないし(というより自覚がない)、自分の思考(ずっと考え事をしたり仕事のことが頭から離れない)が、ちょっとヤバいくらいのところまでいっているという自覚がない。

悩み続け、周囲の人の言葉に傷つき心を閉ざすのはなぜか?

自分は他の人たちと違う(理解されない)
なぜ自分だけこんな病気になるのだろう?

こんな気持ちを持ち続け悩んでいると、友人や家族からのある言葉に傷つくことがある
「病院にいって薬塗って治せば?」
「なんでそんなに考え込むの?気のせいなんじゃない?」
「辛い気持ちは、誰にだってある」

そんな言葉に傷つき、皮膚の病気を抱えるわたし達は、ただでさえ眠れない痒みや痛み、苦しさと闘っている自分を否定されたような気持ちになる。

だって、肌が痒くて話に集中できないし、眠れないから人と話すだけでも疲れるのだ。
やっとの思いで人に会っても、かえって落ち込んで傷ついてしまうなら、いっそのこと心を閉ざし、目を合わせず話題をそらしたほうがきっとお互いのため
そう思うようになるんだ。


手のひらのシワが全部切れ込みが入るから手を広げられない
というよりむくみ・腫れているから物が持ちにくい


指の間が火傷のひどいパターンのように化膿したようにグズグズになる 2014年5月

このときは、自分は結婚もできないし子どもだって持てないと思っていたし、とにかく自分の状態が辛くて仕方ない。自分の将来に明るい日差し(希望)が差し込む日がくるなんて想像もできなかった。ただ、毎日の状態を乗り過ごすのに精いっぱいだったんだ

わたしの肌が病気であることの意味は?

わたしは、人生の3分の1以上を皮膚の病気で苦しんできた
いまは、完治ではなくコントロールできるくらいに改善したけれど、やっぱり結婚でさえストレスになる頑固で融通のきかない性格。つまりまた痒みや痛みが起こることがある

自分の症状をコントロールできるようになったとはいえ、中々、思考を変えるには難しかった
今でも自分にウンザリするほど、融通のきかない性質に自分であきれるくらいだ。

じゃあ、わたしができることは何だろう?

そう考えたとき、わたしが接客の仕事をしたい源、わたしが健康で笑いながら毎日を過ごそうと思える源は、すべて自分の皮膚(肌)の病気が教えてくれるんだ。

こういうマイナスにみえる自分自身の皮膚(肌)の病気との付き合い方は、人が生活したり笑顔になったりする気持ちに直結すると思う
だからこそ、自分の周りにいる人、これから出会うお客さんや友人たちに伝えられることがあると思う。

40歳をむかえて、改めてそう感じる

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