肌の美しさとは何か? ー原材料だけじゃない肌への価値観の違いをどう考えるのか?

接客・販売でコスメ原料のことを伝えるようになって10年目になった
化粧品の原料のことを専門に、接客・販売をやっていると色んなお客さまに出会う。

人によって値段や求める品質への価値観がまったく違うことに今でも驚くことがある


今日は1年ぶりくらいに東京・丸の内で販売

 

肌の美しさとは何か?
そう考えたとき、価値観が人によって全然違う

例えば先日、ファンデーションを見ている70代の人に話しかけてみたとき
歳だからクリームのが欲しいのよ。でも高いんでしょ?

歳だから →シミやくすみが隠れるファンデーションが欲しい
クリーム →(これから冬になるから)乾燥が気になる
と、ここまでは予想できる。

ただ・・・
高いんでしょ? →??
となり、価格がどの程度のものだと「高い」と考えているのだろう?そこの部分はまったく分からない。
例えば、百貨店コスメのようにある程度価格帯が決まっていて、昔から世間一般的には「高価で品質の良いもの」とされている商品を販売している売り場であれば想定できるのかもしれない。

いま、バラエティコスメ(色々な化粧品メーカーが混在する中でユーザー個人で自由に選ぶ化粧品売り場)のように、幅広い年代が使う、価格が数百円から1・2万円単位の商品を扱う売り場では、ユーザーの求める商品が何なのか?ということを聞き取る能力が必要になってくる。

肌が美しくなりたいか?
と言って「なりたくない」と答える人はおそらくいないのだろうけど、どのくらいまで美しくなりたくてどういうアプローチをしたら希望が見えるのか? ということを考えているユーザーはほぼいないように感じる

「歳だからクリームファンデーションが欲しい。でも高いんでしょ?」という70代の女性の場合

この女性の場合、具体的にどのくらいの価格が適当と考えているのか?肌に良いもの・負担の少ないものが欲しいと思うのか?という部分をヒアリングしてみたのだけど、結局は何も買わなかった。通りがかりにちょっと見てみた、という感じなのだろう

この女性のように、1000円代でファンデーションが欲しいという人の場合、どうしてもコスメ原料のオタクであるわたしがアプローチする隙は無いのかもしれない。
(とは言っても、聞いてくれる余地がなかったので提案もできなかったのだけれど)

「美しくなりたい」というより、(シミやくすみを)隠せれば何でもいい
自分が想像している形の商品以外は要らない
という人だったように思う

「化粧水で潤えば何でもいい」という30代の人の場合

また別の例で、同じ店舗で声をかけた30代の女性の場合
(空気が)乾燥してきたから化粧水が欲しいけど、化粧水だったら潤えば何でもいいという人

「何でもいい、こだわりがない」というのだけれど、この女性の場合、なんとなく雰囲気があって(この辺は感覚的なものだけど)、普段の化粧品を聞きたくなったので訪ねてみると、普段はラン○ムのファンデーションや美容液を使っているとのこと。

結果として、天然のものに関心があるようにはとても見えなかったけれど、オリーブスクワランを購入してもらった。
何でだろう?

関心がないように見えることでも、伝え方によっては興味を持ってくれる
そのためには、ユーザー一人ひとりの価値観がどこにあるのか?察してみたり、販売員のわたしが話すことに耳を傾けてもらえるのか?というのを実践して試してみることが必要になる

おそらく、この30代の女性の場合、化粧品にかける手間暇や価格を抑えるというより、肌に良いことをしたいし肌に負担のかかるものを減らした方が良いかも知れない、ということを瞬時に感じていたのだろうと思う

肌の美しさとは何か?

こんな様々な出会いがあるバラエティの化粧品売り場
今後はどうなるのだろう?

情報も商品量もネットショップのほうが無駄なく買い物できる時代に、わざわざ店舗に出向いて
購入するユーザーはどのくらい増えるんだろうか?

肌の美しさとは何か?

肌がきめ細かく艶がある
シミやシワも同年齢の人たちより少ない
毛穴詰まりもなく素肌に近いメイク

そう見える人ほど、商品の品質や原材料に目を向けている人が多いのが現実だ
毛穴に詰まる原材料(酸化しやすいヤシ油・ひまし油)、毛穴が広がる原材料(グリセリンなど)の話に耳を傾けてもらえる人なのかどうか?わたしはそういう実践を積み重ねているように思う

肌の美しさとは何か?
それは、人によって生まれながらにしてきめの細かい美しい肌の人と自分を比較してなげくことでもない。
人の持つ免疫力や水分保持の力を損なうことなく、自分の肌や心と向き合うことができるかどうかなのかも知れない。化粧品はその手伝いをするだけのものだし、原料だってシンプルで良質のもので長く使えるものがベストだ。

そういう理屈は、まずはわたし自身がユーザーになってくれるであろう人や、すでに信頼してくれるお客さんとの関係を維持・継続していく中でこそ培われるものだと思う

ただ、こんな風にする仕事は、根気と忍耐が何より必要になってくるけど。。
好きで楽しいからできることなのかも知れない!

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